メイ様弱体化に伴う影響を考える

コラム
1.はじめに

(※この記事は個人の感想・考察を多分に含んでいます)
(※この記事は《メイ様》《超次元ホワイトグリーン・ホール》の修正の是非を考えるものではありません)

こんにちは。BEANSのクワガタムシ、ナニガシソレガシです。
6月26日付、《メイ様》の弱体化が決定されました。詳細は公式画像を置いておきます。


簡単に言うと、従来の1コスト置きブーストとしての使い方が事実上封じられたということでいいでしょう。一応1マナ《メイ様》→2コストブースト札+《メイ様》とかでできるっちゃできるんですがそんなことされたら舌打ちしながらスマホの画面叩き割って投げ捨てればいいんじゃないですかね。まだ《大冒犬ヤッタルワン》とか出された方が納得できます。

個人的にはうれしい感情よりもやっとか…みたいな感情が先に来てやるせないです。
さてとりあえず弱体化は決まったのですが、彼女のナーフがどんな影響を与えるのか考えていきたいと思います。

 

2.環境デッキが受ける影響
①【青単リキッド・ピープル】

相対的に強化だが、環境的にやや弱体化(の可能性あり)。

《メイ様》の採用はないものの、対《メイ様》のスペシャリストだったこのデッキにとっては有利対面が減ることになります。更に《メイ様》の枠が防御系カードに割かれると少し困ります。
ですがあくまで少しです。《メイ様》弱体化以上に《超次元ホワイトグリーン・ホール》規制はこのデッキにとって追い風で、殴り方・貯め方によってはアンタッチャブルを持った《超閃機 ジャバジャック》でトリガーを乗り越えることが十分可能で、今後は《アクア・ガード》の枚数などを調整しながら上位に君臨し続けると予想されます。

総評:メイ様弱体化は有利対面の減少を意味し、相手の空いたデッキスロットが未知数。ただし同等以上の追い風もあるため強そう。

 

②【白抜き4Cビッグマナ】

超弱体化。

一番被害を受けるデッキでしょう。このデッキにおける《メイ様》の役目は大きく二つです。
・《母なる大地》の生贄
・ライフ2種8枚を凌ぐ初動枠
このデッキの核ともいうべき《偽りの王 ヴィルヘルム》+《母なる大地》は健在ですが、仮に弱体化後の《メイ様》を採用しないとした場合8マナ時点での《メイ様》+《母なる大地》から1マナ軽減で《偽りの王 ヴィルヘルム》を射出する動きが現実的でなくなりました。というよりそもそもこのデッキはクリーチャーの数がかなり絞られており、《メイ様》を抜くとマナに置いた《偽りの王 ヴィルヘルム》を再利用するということが難しくないか?という疑問符が付きます。《偽りの王 ヴィルヘルム》に限らず、対【青単リキッド・ピープル】を始めとしたビート系のデッキに対して《永遠のリュウセイ・カイザー》とか《勝利宣言 鬼丸「覇」》を無理矢理間に合わせたりする役目があったのでちょっと、まず、《メイ様》入ってない【白抜き4Cビッグマナ】使う?っていう話になります。宿敵は無傷だし…。つまるところデッキコンセプト崩壊の危機です。《一極両得 マクノカ&ヌクノカ》あたりがマナに触れてかつマナブーストもできるカードではありますが…。
《偽りの王 ヴィルヘルム》をマナ基盤と考えて空いた枠を防御・妨害に回すなら《フェアリー・ミラクル》使うとか、【アナカラーザビミラ】タッチ《偽りの王 ヴィルヘルム》とかでよくない?って話になります。それか《母なる大地》まで抜いて、《「必勝」の頂 カイザー「刃鬼」》に寄せて紙の【黒刃鬼】【黒戦慄】に回帰するとか。中速ビートが増えそうなのが向かい風ですが。
じゃあ4コストの《メイ様》が弱いのか?という話になりますが、別に弱くはないんですよね。パワー5000って3ターン目にはかなり触り辛いパワーラインですし、4色使うデッキの都合上《フェアリー・シャワー》に頼りにくいこのデッキでは、単色で使いやすく、かつ《母なる大地》の種の1コストと置きマナブーストとしての4コストを使い分けできる《メイ様》を引き続き採用候補に入れる可能性はあります。2コストブースト引けてる前提にはなりますが。

総評:《メイ様》抜くとデッキとして崩壊してそうだから一周回って《メイ様》入れてもいいんじゃない?それか紙の【黒刃鬼】【黒戦慄】あたりに回帰しよう

 

③【シータ刃鬼】

弱体化

こちらのデッキにおいても《メイ様》の役目は【白抜き4Cビッグマナ】と同じなので割愛します。
ただし【白抜き4Cビッグマナ】よりも被害は軽微です。というより《偽りの王 ヴィルヘルム》クラスの登場時効果を持つパワーカードがないので、《メイ様》《母なる大地》が使いにくいなら、これらを抜いて自分のもともと持つ動きや防御面を強化する方面に舵を切ることが現実的でしょう。《メイ様》がリソース管理方面でかなり便利なカードであったためそちらをケアする方法を考える必要はありそうですが、マナブーストに関しては優秀な3コストブーストカードが揃っているためこれからの工夫が期待できるでしょう。

総評:デッキコンセプトは崩壊せず、デッキスロットを別の枠に回せばよさそう。強そう。

 

④【トリーヴァ大地コントロール】

間接的かなり強化。…されるはずでした。《超次元ホワイトグリーン・ホール》が殿堂したためデッキコンセプト崩壊。

そもそも《超次元ホワイトグリーン・ホール》が殿堂したこのデッキを考慮する必要があるかどうかという話ですが、今後、似たような耐久デッキ(《龍素記号Sr スペルサイクリカ》+エターナル系呪文とか)が出てきたときを考えます。自分の山札を継続的に削るカードであった《メイ様》は耐久デッキとは相性が悪いためまず入らず、相手の上振れのパワームーブを助長する《メイ様》はキツいカードなので弱体化されてどちらかと言えばうれしいでしょう。圧倒的不利対面の【白抜き4Cビッグマナ】のようなデッキが減少することは何よりの追い風になります。有利対面の【青単リキッド・ピープル】にはメスが入らず、《メイ様》弱体化で環境が少し低速化して中速ビートが増えそうなこともいい知らせです。
ただし、対【白抜き4Cビッグマナ】を考えるのならば相手の《メイ様》を引きずり出して山を削らせることが勝利の常とう手段であったため、勝ち筋を一つ失ったと言えるのが厳しいです。マナブースト札の枚数的に不利を取っているのは変わらないためその点は注意。

総評:低速化に伴う中速帯のビートが増えそう+不利対面が減ったのでかなり強化…だった。《超次元ホワイトグリーン・ホール》殿堂に伴い解体の憂き目に。

 

⑤【クローシス墓地ソース】【青赤アウトレイジビート】

間接的かなり強化。

めちゃくちゃ強化です。《メイ様》弱体化に伴う環境の低速化+《超次元ホワイトグリーン・ホール》殿堂に伴う受けデッキ全般の弱体化+(メスが入らなかったことにより)五分~微有利対面の【青単リキッド・ピープル】の増加傾向、などなど非常に嬉しいナーフ情報となりました。《メイ様》の分の空いたスロットに防御系カードが増えたとしても、事実上の除去耐性と強烈なリソース性を持つ《超合金 ロビー》を有するこれらのデッキは、【青単リキッド・ピープル】よりも有利に立ち回ることが可能でしょう。

総評:すべてが追い風のため立ち位置の向上が見込める。が、上振れのパワーが【青単リキッド・ピープル】に及ばないことをどう埋めていくかが課題。

 

⑥【祝門】系

間接的やや強化。だけどそんなに変わらないかも。

まず青黒型ですが、メタ対象が消えたため《学校男》の分をいったん抜いて考えます。ここにドローソースを入れてもいいですし、トリガーを積んで受けを強くしてもいいですが、結局のところ《祝儀の堕天チャーマジュン》引けて生き残ってくれればいいので、相手の上振れルートが一つ消えた+不利対面の【白抜き4Cビッグマナ】が減りそうの二つが相対的強化点。そして有利対面の受けデッキが《超次元ホワイトグリーン・ホール》殿堂で弱体化されたことが相対的弱体化点。差し引きややプラスといったところ。対ビートデッキに対しては《アクア・スーパーエメラル》と《ウェディング・ゲート》のゲームになるのは変わってないのでそんなに変化はなさそうです。
続いて黒緑型ですが、こちらは正直黒緑型にする意義を失ったのではないしょうか。《メイ様》の枠にブーストカードを積んでもいいですが、盾操作もできずリソースが細いデッキでこれ以上緑を増やす必要もなさそうなのでネクラ型に吸収されると予想しています。ネクラ型は《聖騎士ヴォイジャー》《聖隷王ガガ・アルカディアス》という強みがあるのでこれからも上振れが強いデッキとして残る予感がありますが、《超次元ホワイトグリーン・ホール》を失い色調整が非常に難しいです。盾操作能力も失い、安定感が地に落ちるためランクマッチで結果を残すにはかなりの運と練度が必要でしょう。

総評:青黒型は強化とも弱体化とも言い辛いが、環境の低速化に伴って相対的にやや強化。立ち位置の変化はあんまりなさそう。黒緑・ネクラ型はそれぞれ意義と安定感を失い勝手に消えていきそう。

 

⑦【黒赤MRCロマノフ】

間接的やや弱体化。だけどそんなに変わらないかも。

【祝門】と同じくやることそのものに変化はほぼないものの、《学校男》のバリューがやや下がりました。このデッキの《学校男》は後半の動きにも絡んでくるためそのバリューが下がったという点ではやや弱体化と言えるでしょう。しかし現環境で2コストランダムハンデスを多く有するデッキはこのデッキのみで、かつ環境に対する2コストランダムハンデスの刺さりはいいため立ち位置は然程変わらないとみています。
めちゃくちゃなことを言うのであれば、スーパーデッキ再録によって《サイバー・N・ワールド》の寿命が延びたのでちょっと気分は悪いです。どのみち《煉獄邪神M・R・C・ロマノフ》が先にNDからは落ちるのであんまり関係ないですが。

総評:あんまり変化なし。プロモカード化した《サイバー・N・ワールド》を敵対視している。

 

⑧【デアリシューゲイザー】

間接的かなり強化

理由としてはほぼ【クローシス墓地ソース】と同じ。環境の低速化に期待できます。【白抜き4cビッグマナ】の減少に伴い《偽りの王 ヴィルヘルム》にマナを飛ばされることがなくなるので強化度合いはやや上。また、現状の【デアリシューゲイザー】には紙にあった周辺パーツの器用さがやや欠けているため構築が洗練されれば【クローシス墓地ソース】など他のビートデッキを乗り越えられる可能性があります。

総評:かなり強化され立ち位置の向上も見込めるが、他のビートデッキに対して優位点をどう見出していくかが難しいか。

 

3.おわりに:結局《メイ様》強いの?

各環境デッキについてはいろいろ書きましたが、結局のところ本当に《メイ様》は弱くなったのでしょうか。確かに1ターン目の上振れは抑えられたものの、マナブーストする側の《メイ様》は影響を受けていません。
結論としては、「弱くなった」クラスになったと思っています。
ちなみに《超鎧亜キングダム・ゲオルグ》なんかは「終わった」クラス、《ジェネラル・クワガタン》なんかが「弱くなった」クラス、《連珠の精霊アガピトス》なんかが「弱くなったが使える」クラスを想定。
つまり選択肢には入るけども積極採用には理由が必要、といったところでしょう。「終わった」と言い切れないのは主に2点あります。

理由その①:1コストで《母なる大地》の種、4コストで置きマナブーストにはなれる。
【白抜き4cビッグマナ】で触れたことですが、ブースト込みで3ターン目に出てくる置きマナブーストカードとしては未だに唯一の性能を持っています。加えて1コスト運用ができるので、やはり1枚のカードが持つ《母なる大地》との親和性としては随一といっていいでしょう。

理由その②:環境全体の《メイ様》へのガードが下がる。
《メイ様》が弱体化されたことで環境全体の《メイ様》へのガードが下がります。例えば【祝門】は《学校男》を抜く人も出てくるでしょうし、環境全体の低速化に伴って現在は有象無象と呼ばれるデッキも増えるでしょう。そういったデッキを《メイ様》+《母なる大地》で破壊することは容易に思えます。

もちろん4コストブーストカードとして考えたとき、比較対象にいる《フェアリー・シャワー》《ライフプラン・チャージャー》に劣る点は多くあります。起動タイミングの問題や、見れるカードの枚数などです。しかしクリーチャーであることや継続マナブーストの利点ももちろんあるわけで、単色であることからも腐るタイミングはそれほど多くないと思われます。…でも確実に仕事をしてくれるカードではなく、《母なる大地》ありきにはなってしまうので難しいところではあります。
《母なる大地》との同時採用は前提として、例えば【白抜き4cビッグマナ】【リースロマネスク】のようなクリーチャーであることに大きな意義があるデッキだとか、【白緑アガサ天門】のようなリソースの取りにくいカラーで6コストにビッグアクションのあるデッキだとかだと今後も《メイ様》を採用候補にしてもいいのではないでしょうか。【シータ刃鬼】などの《母なる大地》で《勝利宣言 鬼丸「覇」》をビートに間に合わせていたようなデッキでも、従来のように4枚とは言わずとも、採用は検討できると思っています。

《メイ様》の弱体化はむしろ環境全体の速度の低下という側面の方が環境全体に与える影響としては大きく、これにより速度の問題で埋もれた未だ知らぬデッキが息を吹き返すこともあるかもしれません。《超次元ホワイトグリーン・ホール》を持つ受けデッキが致命的なダメージを受けたことも相まって環境を揺るがすことは間違いないはずです。

とはいえ見ればわかる通り、環境の低速化に伴って《メイ様》を採用していないデッキはほぼ全て立ち位置の向上が見込めます。逆に言えば全体がそっくりそのまま上に上がるだけで、大きな変化は起こらないのではないか?という疑問もあります。一体どうなるのでしょうかね。

サガとバルガも加わりここから始まる第20.5弾、楽しんでいきましょう。

ご意見・ご感想、《メイ様》への思い等ございましたらコメント欄にお願い致します。

 

4.おまけ:青単を焼き尽くしたい

ここは多分に私怨を含んでいますが、《メイ様》弱体化と《超次元ホワイトグリーン・ホール》殿堂したのにお咎めなしの【青単リキッド・ピープル】に対して使えそうなカードとメリット、目立ったデメリットをお伝えします。多すぎてもあれなので今回はコスト5以下に限定します。

 

①《自爆屋ギル・メイワク》

メリット
・後攻から相手の先攻3ターン《超閃機 ジャバジャック》を確実に咎められる
デメリット
・メリット以外のシナジーを持つデッキがほぼない。《アクア・ガード》+《一撃奪取 マイパッド》+《アクア・エリート》でないなら《学校男》の方が汎用的

 

②《天恵と翔天の声援》

メリット
・3コストマナブーストとして最低限の役割をこなす
・妨害と自分の動きの両立ができる
・シールドトリガーである
デメリット
・呪文のため《封魔ゴーゴンシャック》に咎められる
・多色である

 

③《ローズ・キャッスル》

メリット
・パワーライン1000を一方的に咎められる
デメリット
・一度盾から離れるような状況になるとそれ以降機能させにくい

 

④《ウソと盗みのエンターテイナー》

メリット
・《アクア・エリート》の機能停止
・殴り返しに強い
・黒を含み色調整に使える多色である
デメリット
・《アクア・エリート》以外止められない
・多色である
・先3《アクア・エリート》には間に合ってない

 

⑤《ミサイル・バーストG》

メリット
・二面除去が可能な時が多い
・シールドトリガーである
・《超閃機 ジャバジャック》を射程に捉えている
デメリット
・呪文のため《封魔ゴーゴンシャック》に咎められる
・対【青単リキッド・ピープル】以外に腐りやすい

 

⑥《モエル 鬼スナイパー》

メリット
・クリーチャーであり《封魔ゴーゴンシャック》に咎めらず、場に残って継続的に除去を放つ
・シールドトリガーである
デメリット
・《超閃機 ジャバジャック》といった進化クリーチャーが除去範囲ではない。

 


⑦《待ち伏せオニゾウ》

メリット
・クリーチャーであり、場に残って継続的に除去を放つ
・シールドトリガーである
・黒を補充できる
デメリット
・単純な火力ならば《モエル 鬼スナイパー》が上

 

⑧《希望の親衛隊ファンク》

メリット
・クリーチャーであり、場に残って1000以下を縛る
・その他超次元を使うデッキにも広く刺さる
デメリット
・5コストでパワー1000を咎めておいしい状況があまりない

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