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1 はじめに
こんにちは、BEANSのナニガシソレガシです。
第24弾環境前半が終了しました。大モルネク時代、Tier0デッキ時代の到来かとも思われました。しかし次第にメタが回り、【モルトNEXT】も大会・ランクマッチ母数などでは1位ではあるものの飛び抜けた値かと言われたらそうでもない、というレベルまで落ち着くようになり、【モルトNEXT】に不利なため息をひそめていたデッキ達も構築を洗練して帰ってきました。
また、ランクマッチのND最終ラインが1700を超えたのは本当に久しぶりに見た気がします。理由はいくつかあるでしょうが、その一つに《超戦龍覇 モルトNEXT》というカードの存在があったことは確かではないかと思います。いわゆる『現代デュエマ』とやらにまた一つデュエプレも近づいたのかもしれません。ではデッキを見ていきたいと思います。
2 テンプレデッキリスト
①【モルトNEXT】
(王型)
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(刃型)
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環境初日から圧倒的母数を叩き出し、数を減らしたといえども常に環境の中心にいたデッキです。基本的にシールドトリガーが含まれないデッキであるため、次のターン相手に何を出されたら負けるかを考え、そこから逆算して打点を溜めるか、盤面を処理するか、ワンショットで走るかを使い分けましょう。環境後期には《二刀龍覇 グレンモルト「王」》ではなく《王・龍覇 グレンモルト刃》でボード(盤面)コントロールに重きを置いた型も流行り始めました。
環境初期では【サインシューゲイザー】【白単天門】など受けのデッキにどう戦うか不明瞭な部分がありましたが、中期ごろには《不敗のダイハード・リュウセイ》で相手が操作した盾を焼却し打点を組むことをセオリーに、ゲームレンジによっては《永遠のリュウセイ・カイザー》《悠久を統べる者 フォーエバー・プリンセス》など、仮にS・トリガーで止められても返しに大打点を作られないように立ち回れるカードを複数枚盤面に置いて《爆熱天守 バトライ閣》の大打点で殴れるようにするというゲームプランを誰もが組み立てられるようになりました。また、中期ごろから大流行した【赤単速攻】など早期のビートダウン系デッキに対抗するため、2→4→6で《龍秘陣ジャックポット・エントリー》を打つマナカーブのために2コストブースト札を厚く取る試みもされています。
ただし、マナブーストを引くことや《爆熱天守 バトライ閣》の踏み倒しなど、一つ一つでは高い確率でも、確率に確率を重ねる部分があるため、ランクマッチ、大会ともに母数の割には結果を残しきれていないようです。
(※2/17付けで《怒英雄 ガイムソウ》がもつマナ武装能力の弱体化が発表、2/22から施行)
②【サインシューゲイザー】
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対【モルトNEXT】として名乗りを上げたこのデッキは、ドロー&ディスカードの多さからプレイの安定感と、練度が反映されやすいデッキとして好まれました。環境に早期にロックを仕掛けてくるようなカードが少ないこと、全体ストップトリガーを盾に仕込むことができる防御力、そして《鎧亜の咆哮 キリュー・ジルヴェス》を絡めて瞬間的な大打点を作ることができることが現環境にマッチしています。
ドロー&ディスカードは山札を素早く消費することができるため、1~2枚積みのカードであってもある程度ゲームに絡めることを想定することができます。故に中期ごろから《真・龍覇 ヘブンズロージア》や《嘘と盗みのエンターテイナー》を少しだけ添えるような形も見られました。ただし《超合金 ロビー》がいないとディスカードの分を補えないため、盾に仕込む用のカードと墓地に置きたいカード、手札にキープしたいカードをしっかり考えてプレイするようにしましょう。
ミラー対面は基本的に2枚以上の操作盾を作って、《トンギヌスの槍》を駆使しましょう。
③【赤単速攻】
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環境初期にも【モルトNEXT】を何もさせず倒すデッキとして使われていましたが、中期ごろ【白単サザン】の増加に伴い【赤単ヒューマノイド】とハイブリッドする形で爆発的に数を増やしました。速攻の動きと、《爆炎シューター マッカラン》《爆神装甲 ヴァルブレア》でボードコントロールしながら詰める動きを兼ね備えています。現環境の受けのデッキ代表格の【サインシューゲイザー】【白単天門】に《早撃人形マグナム》が非常に強烈に刺さるため、受けの薄いデッキには速攻、ビートダウン対面にはボードコントロール、受けのデッキには《早撃人形マグナム》と、速攻でありながら全ての対面に回答を用意できます。【モルト「王」】や【カイザー「刃鬼」】のような《スーパー炎獄スクラッパー》採用デッキが数を減らしていることも追い風でした。
④【黒単ヘルボロフ】
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【モルトNEXT】の母数減少、そして環境でもハンデス戦法の地位下落により逆にハンデス対策が薄くなっていたところに現れて数を増やしました。基本的にはハンデスで相手の手札を刈り取って《極・龍覇 ヘルボロフ》の着地、そして《極・魔壊王 デスゴロス》の龍解、そのアタックトリガーで《悪魔龍王 ドルバロムD》の着地を目指します。【モルトNEXT】に勝利を上げ続けることは難しいですが、それ以外のデッキに対してプレイとランダムハンデス次第によって高い勝率を持つことができたようです。《死神術士デスマーチ》は対【赤単速攻】に対する時間稼ぎ、対【モルトNEXT】に対して《極魔王殿 ウェルカム・ヘル》から蘇生可能な実質スピードアタッカー、そして1コストで出すことができる龍解の贄など器用に働きます。
前環境で猛威を奮った《爆霊魔 タイガニトロ》ですが、現環境だと《超戦龍覇 モルトNEXT》や《インフェルノ・サイン》など1枚で大打点を形成することが可能なカードを使うデッキが上位に来ていることや、《怒英雄 ガイムソウ》との2枚コンボを使うために手札が複数枚必要な【モルト「王」】が環境落ちしたことで、以前ほどの圧力は今環境においては感じにくくなりました。それでも【白単天門】【ドロマー祝門】など手札利用デッキには刺さるため、1~3枚の採用となっているようです。
⑤【イメンブーゴ】
(スタンダード)
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(ミラクル型)
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前弾環境からほそぼそと活躍はあったデッキですが、ようやくデッキの形のようなものが大枠で定まりました。基本的には《邪帝斧 ボアロアックス》とマナを染色する《龍覇 イメン=ブーゴ》でマナの5コスト以下のクリーチャーを踏み倒して盤面を広げ、最終的に《我臥牙 ヴェロキボアロス》でマナからロックを仕掛けるクリーチャーを呼び出します。とにかく《邪帝遺跡 ボアロパゴス》さえ作ってしまえば器用なカードが豊富にあるので、盤面のコスト管理に注意して一旦龍解を目指しましょう。
受け札として《界王類邪龍目 ザ=デッドブラッキオ》が採用されており、《龍覇 イメン=ブーゴ》が絡まずとも自前で5色揃えることができること、《飛散する斧 プロメテウス》でリソース管理が容易いこと、《音感の精霊龍 エメラルーダ》で自発的に使用可能であること、自身が8コストと重いが踏み倒しを前提とされているカードのため《邪帝斧 ボアロアックス》及び《邪帝遺跡 ボアロパゴス》の龍解に寄与しやすいことなど、様々な面でシナジーします。《邪帝斧 ボアロアックス》の2段階目である《邪帝遺跡 ボアロパゴス》は、今弾で仕様が変更されたS・バックと組み合わせると相手ターン中に踏み倒しを行うことが可能であり、マナに5色揃っているときの防御力は非常に高いです。
⑥【白単サザン】
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序盤から盤面に干渉してくるデッキが減ったことで環境初期から中期ごろにかけて暴れました。このデッキに対抗するため【赤単速攻】は【赤単ヒューマノイド】とハイブリッドした形に、また2コストハンデスを多用する【黒単ヘルボロフ】が誕生したように思われます。《共鳴の精霊龍 サザン・ルネッサンス》が引けているときはリソースを軸にじっくりとしたゲームプランを取ることもできますが、基本的には対面よりも初手を見て、構えるゲームプランか速攻で殴りきるゲームプランかを選ぶ必要があります。殴りきりの際の再現性を高めるために《聖霊龍王 アガピトス》から踏み倒し可能な《龍覇 エバーローズ》を厚く取り、構えるゲームプランのために《真・龍覇 ヘブンズロージア》は2~4枚になっていることが多いようです。初期は《ドラゴンズ・サイン》採用型が中心でしたが、速攻の再現性のために《予言者クルト》採用が増えるとデッキスロット圧縮のため次第に非採用型が増えました。
受けデッキを相手にするときには勝負を伸ばして《偽りの王 ナンバーナイン》を投げましょう。
⑦【青赤UKパンク】
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【サインシューゲイザー】に有利をとれる受けデッキとして活躍しました。ドロン・ゴーは各種踏み倒しメタに引っかかるのですが、《超絶合金 ロビンフッド》による登場時のバウンスを駆使して手札のエグザイル・クリーチャー数で無理やり突破することもできます。《神聖牙 UK パンク》の踏み倒しが墓地からなこともあり、《神聖麒 シューゲイザー》よりもやや下準備が手間であるため【サインシューゲイザー】に母数では及ばない結果となりました。
⑧【シータ刃鬼】
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《連唱 フェアリー・ダブルライフ》を引っ提げ、環境に戻ってきた《「必勝」の頂 カイザー「刃鬼」》です。墓地からも詠唱可能なこの呪文は1枚で4ブースト分の働きをするため、ブーストはこのカードに任せて残りの枠を【モルトNEXT】のワンショットを耐える全体ストップトリガーに枠を譲る形になっています。また、今環境では《ドンドン吸い込むナウ》が減り《不敗のダイハード・リュウセイ》の敗北防止効果がしっかり仕事をするようになったため、全体ストップトリガーで耐える→《不敗のダイハード・リュウセイ》で耐える→《「必勝」の頂 カイザー「刃鬼」》の流れが決まりやすくなりました。ビッグマナの性質上立ち上がりの遅い受けデッキには有利なのですが、ブーストとトリガーの兼ね合いもあり勝ちきるには少し難しかったようです。
⑨【白単天門】
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《聖英雄 ゴール・ド・レイユ》が非常に場持ちの良く、加えて光のカードをS・トリガー化する強力な攻撃牽制性能を持っており、環境中期ごろからはこのカードが軸になるようになりました。自身の置換効果で相手の除去を避けて《天獄の正義 ヘブンズ・ヘブン》で大型のブロッカーを出し続け、相手の除去が枯れたらドラグハートで盤面を強固にします。受けデッキとして大会でも活躍はありましたが、ランクマッチの性質上、不利なビッグマナ系のデッキの増加があったり、トリガー勝負に持ち込む前に貫通されたり、後期には【赤単速攻】も《早撃人形マグナム》で対策を取ってきたりしたためやや数を落としていました。
⑩【ドロマー祝門】
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4コストのエンジェルコマンド軽減カード8枚が手札を補充する役割も同時に持っているため、【白単天門】と比べて安定感をもって横並べをすることができます。ただ《鎧亜の咆哮 キリュー・ジルヴェス》が入っている【サインシューゲイザー】をよく見るこの環境においては《祝儀の堕天チャーマジュン》の盾を減らす能力がややリスキーで、《真・龍覇 ヘブンズロージア》含めエンジェル・コマンドは破壊しにくいことと、そして環境が踏み倒しやトリガーに対して厳しめな環境なこともあり、そこまで母数を伸ばせませんでした。初登場した時期と違ってエンジェル・コマンドが環境にかなり増えたこともあり、さすがに時代に追いつきにくくなっているという現実を突きつけられたかもしれません。
⑪【トリーヴァシャングリラ】
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エピソードシリーズゼニスの大ボスが、スタン落ち直前になってついに環境に進出しました。シリーズ同期の《ドンドン吸い込むナウ》で簡単に処理されるカードとして長らく肝を嘗めていたカードですが、ビッグマナ系の減少に伴う《ドンドン吸い込むナウ》の減少と、母数トップ2の【モルトNEXT】【サインシューゲイザー】がタップした《「無情」の極 シャングリラ》に触れる手段が極端に少ないこと、そして《母なる星域》の収録という最後のパーツが揃って環境進出を果たしました。
《「無情」の極 シャングリラ》自体のカードパワーがオーバースペックと聞かれると別にそんなことはなく、むしろ《母なる星域》前提のカードではあったので少しでも活躍の場ができたことは喜ばしいです。
⑫【緑単サソリス】
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対【モルトNEXT】のビートダウンデッキとして最初は一番に名が挙がりましたが、《早撃人形マグナム》や《制御の翼 オリオティス》などのメタカードを擁するビートデッキの方が環境的には好まれるようになりました。加えて自分自身もマナからの踏み倒しを多用するデッキであるためメタ対象に巻き込まれています。カードパワー自体は非常に高く、今後のギミックでも強化が見込まれるため今後に期待しましょう。
3 おわりに
その他にも
【エッグキューブ】(【ドラゴン】)
【青緑ターボゼニス】
【黒単ワルボロフ】
【青単リキッド・ピープル】
【クローシス墓地ソース】
などのデッキが存在したようです。
【モルトNEXT】から始まった環境でしたが、最終的にはなんだかんだメタが回っていい感じになったようにおもいます。今期はとにかくたくさんの人で盛り上がったシーズンだったので、改めてこのドラゴンサーガ編の人気みたいなものは感じました。龍覇三銃士も最終的にはちゃんと活躍して、個人的にもとても楽しかったです。人によって好みはありけりだと思いますが、知らないカードにぼろぼろにされたエピソード環境よりも思い出のカードがしっかり強い方が筆者は好きです。今後、この勢いが続くかどうか、大会も含めて追っていこうと思います。
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