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1 はじめに
こんにちは、BEANSのナニガシソレガシです。
レジェプレ2024環境が始まりました。TCGではプレミアム殿堂入りにも指定された《超次元バイス・ホール》ですが、超次元環境が終わったこのタイミングで実装されました。呪文環境の中だと、ややもすればバイス早打ち環境を作りかねないという懸念からあえて活躍しづらい環境での収録であると思われますが、今後【ネクラドルマゲドン】などが成立すれば輝けるカードになるのでしょうか。去年のレジェプレで言えば《龍仙ロマネスク》などは2023年後半になってから猛威を奮い始めたため、今後のパック発売も見据えた収録内容になっている可能性はあります。他にも【ゴッド・ゲート】などで使われることが想定されていたであろう《超絶究極神》などもいたため、レジェプレの収録内容から運営の思惑を読み取れると少し面白いかもしれません。
では本題です。今環境は本当にデッキが多いです。
2 テンプレデッキリスト
①【モルト王】
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23弾で追加された《二刀龍覇 グレンモルト「王」》《銀河剣 プロトハート》《無敵王剣 ギガハート》による比較的安全なワンショットが魅力のビッグマナです。23弾環境でも強力なデッキのひとつではありましたが、スーパーデッキで追加されたカードによって序盤~中盤の動きが更に強力になりました。
《怒英雄 ガイムソウ》により7マナ時点でワンショットを決めることができますが、いくら《無敵王剣 ギガハート》を装備した《二刀龍覇 グレンモルト「王」》が破壊耐性を持っているとはいえ、《ドンドン吸い込むナウ》をはじめとする破壊以外の除去には無力です。時には《覇闘将龍剣 ガイオウバーン》《熱血剣 グリージーホーン》などで盤面を作りつつ、《無敵剣 プロト・ギガハート》で更に強固な耐性を携えて殴ることも大事です。
ビッグマナとコンボデッキの性質を併せ持つこのデッキにとって、ハンドキープを容易にする《フェアリーの火の子祭り》は実質リソースカードでデッキの核です。コンボデッキの宿命としてハンデスに弱いデッキなのは間違いないですが、このカードがあれば相性差をひっくり返せるほどには強力です。逆に、このカードがない試合はリソースが細い試合になりがちなので、そこの隙をどう埋められるかが腕の見せ所になります。具体的にはデッキをドラゴンに寄せて《メンデルスゾーン》でブーストを早めたり、《ガチンコ・ジョーカー》で苦手な【天門】を対策しつつ長い試合を作りやすくしたりすることが考えられます。
また、今回新たに《英雄奥義 バーニング銀河》がシールド・トリガーとして追加されました。このカードのメリットは単色でカード指定除去を行うためドラグハートを直接割れたり、《「修羅」の頂 VAN・ベートーベン》すら除去対象に取れることです。しかしマナ武装7が条件としてやや厳しいため、他にもバウンスを行う《無法のレイジクリスタル》、【速攻】やビートダウンの多面がまとめて処理できる《スーパー炎獄スクラッパー》、全体タップトリガーである《ボルメテウス・ホワイト・フレア》なども候補になります。
②【青単リキッド・ピープル】
(ツヴァイ型)
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《クリスタル・ツヴァイランサー》のND帰還により、ADのリキッド・ピープルデッキがNDでもほぼ再現できるようになりました。一番大事な《超神星マーキュリー・ギガブリザード》はありませんが、NDには【黒赤MRCロマノフ】はいないため、十分に強力です。
《クリスタル・ツヴァイランサー》メインのデッキは《アクア・ティーチャー》と2コストのバニラ(能力なし)リキッド・ピープルによりリソースと盤面を稼ぎつつ、《クリスタル・ツヴァイランサー》のG・ゼロを達成させることがコンセプトです。現在のNDでは、一度着地したこのカードを止める手段はかなり限られており、基本的に受けのデッキ視点ではこのカードを着地させないことを求められる程度には脅威となっているといえるでしょう。その代償として従来のリキッド・ピープルよりも、強固な盤面を作るターンがほんの少しだけ遅くなっており、3ターン目の《超閃機 ジャバジャック》+《天災超邪 クロスファイア 2nd》のようなほとんどのデッキにとって重たい盤面を作る能力に欠けています。そのため、その点を主張点として、《クリスタル・ツヴァイランサー》を採用していない従来の型も強力です。
③【白抜き4Cビッグマナ】
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《超次元リュウセイ・ホール》は帰ってきませんでしたが、22弾で追加された《スペルブック・チャージャー》により4ターン目に《ガチンコ・ジョーカー》を打つ安定性が高くなり、【モルト王】や【天門】などのコンボデッキや受けのデッキを狩ることに特化したデッキになりました。《壊滅の悪魔龍 カナシミドミノ》が【速攻】や【青単リキッド・ピープル】には刺さるため、トリガーによってはこれらのデッキとも戦えます。
《超次元リュウセイ・ホール》を失ったことで苦手なビート系対面への脆さが更に高まってしまった一方、そこに《スペルブック・チャージャー》や単色のカードを入れることによって、ハンデスで得意な対面を狩る力は高まりました。2→4→6のマナカーブで《ガチンコ・ジョーカー》を叩きこみましょう。
④【天門】
(白単型)
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(青白型)
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白単の主張点は《ドラゴンズ・サイン》による受けカードの数、青白型の主張点はリソースカードの数と《天門の精霊ヘブンズ》による超展開です。両デッキとも、相手のクリーチャー2体をシールドに封じ込める強力無比なマナ武装を持っている《護英雄 シール・ド・レイユ》が投入されており、それを活かすためにデッキを白で染めています。また、このカードは一時的な破壊耐性も備えており、【天門】の天敵である《嘘と盗みのエンターテイナー》へほぼ完璧な回答を出すことができる数少ないカードです。
【モルト王】のワンショットや、復活した【クローシス墓地ソース】、さらに【青単リキッド・ピープル】【赤単ヒューマノイド】などのビートダウンに対してトリガー《ヘブンズ・ゲート》は1枚で試合の大勢を決めるカードといえます。それを最大限活用するために仕込みと暴発の両方の役割をもつ《音感の精霊龍 エメラルーダ》を無理なく採用できるため、これらの対面にかなりの優位を持ちます。弱点は【白抜き4Cビッグマナ】【黒単ワルボロフ】のようなマナブーストと大型ハンデスを主軸にゲームを作るデッキです。このデッキも有利不利がかなりはっきりしているため、使い時を見極めることが大切でしょう。
⑤【クローシス墓地ソース】
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《戦略のD・H アツト》《熱湯グレンニャー》の再録により完全復活を遂げた、初動事故から最も遠いビートダウンです。《超次元リュウセイ・ホール》がいなくなったことと、その安定性と4ターン目の打点形成力の高さから環境のビートダウンを染め上げると思われましたが、【天門】をはじめとする受け専門デッキにそれを阻まれてしまっています。カラーリング的に《嘘と盗みのエンターテイナー》が採用圏内なので対策は可能ですが、4コスト多色クリーチャーを抱えることがなかなか難しいデッキなので、採用価値があるかは慎重に検討する必要があるでしょう。
とはいえ強み自体は変わらず持っているので、環境でビートデッキを使おうと思ったら第一に使用を検討できるデッキでしょう。
⑥【黒単ワルボロフ】
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もともとTCGにも【黒単ヘルボロフ】というデッキが存在したのですが、そちらはドラグハート着地の隙を生み出すためにハンデスを使用していたのに対し、このデッキはそちらでは存在しなかった《龍覇 ワルボロフ》が自前のコスト軽減効果と墓地へ任意のファンキー・ナイトメアを送る効果を持っているため、《滅殺刃 ゴー・トゥ・ヘル》の着地と《爆霊魔 タイガニトロ》《爆弾魔 タイガマイト》などのハンデスを同時に行うことで比較的早いゲームスピードにも対応することができるようになっており、抱えていた弱点が見えづらくなったようなデッキです。
基本的には4ターン目に《爆霊魔 タイガニトロ》を着地させて相手の手札を1枚残して刈り取ることを目指します。相手がそれを嫌って序盤から手札を吐き出してきたときは《爆弾魔 タイガマイト》でランダムハンデスが可能で、相手目線だとプレイによる対策が非常に困難です。性質上【天門】に対してかなりの優位性を持ち、墓地から蘇るブロッカーや、S・トリガーも質がいいものが揃っており対ビート耐性も悪くありません。
一見隙の無いデッキですが、闇文明単色のデッキであるためリソースを大幅に回復する手段に乏しく、4ターン目に《爆霊魔 タイガニトロ》を拾えなかったり、《葬英雄 ゲンセトライセ》が活躍できるマナ帯まで伸ばす前に制圧されてしまうとその後の動きがかなり貧弱になります。また、【クローシス墓地ソース】、特に《不死帝 ブルース》は天敵以外の何物でもなく、最終的に《暴走龍 5000GT》が着地するとほとんど何もできなくなってしまいます。
《魔壊王 デスシラズ》は非常に強力ですが、耐性を持たず龍解時に自盤面を削る必要があるため、詰め方は慎重に検討しましょう。
⑦【青赤UKパンク】
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《アクア・スーパーエメラル》のND帰還により、主流がラッカ型から青赤型に戻ってきました。このデッキはカウンタープランとビートプランを対面によって使い分けることができ、ビートダウンかつ受けデッキというやや特殊な位置にいます。呪文トリガーを封殺する手段を持たないデッキに対しては盾に仕込んだ《秘拳カツドン破》から《神聖牙 UK パンク》を出せばほぼ勝ちといえるでしょう。殴る際には《トンギヌスの槍》で盾を焼きながらある程度トリガーケアをすることもできます。ハンデスに弱いのはコンボの宿命ですが、3ターン目に《超合金 ロビー》を出せていればリソースは殆ど困らずに事実上の除去耐性を持ったカードで殴り続けることが可能です。
ビートダウン視点だと、《神聖牙 UK パンク》は墓地からの踏み倒しなので、もし仮に《アクア・スーパーエメラル》で盾を仕込まれても墓地が肥えていないタイミングであれば、先にその盾を割ってしまえばトリガーの出力を抑えることが可能であり、使用する側にも使用される側にも、理解度と練度が求められるデッキだといえるでしょう。
⑧【青緑リキピMAS】
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2コストのマナを増やすカードから繋いで、《龍覇の天恵》と《龍覇 メタルアベンジャー》または《龍覇 M・A・S》を組み合わせることで《龍波動空母 エビデゴラス》を最速3ターン目に設置することができ、状況に応じて「龍解」や他のアタッカーを用意しながら殴り切ることを狙うデッキです。先述した3ターン目のドラグハート・フォートレスは除去がほぼ不可能であるため、リソースゲームをその時点で完全に破壊することができ、これは唯一無二の魅力と言えるでしょう。3枚コンボではありますが、替えが効かないのは《龍覇の天恵》のみであり、そこまで再現性が低いわけではありません。《アクア・エリート》《超閃機 ジャバジャック》のパッケージもあり、ここに《最終龍理 Q.E.D.+》がアンブロッカブル(ブロック不可)を与えるため、相手視点だと一度《龍波動空母 エビデゴラス》が設置されると、もう盤面を捌ききることがほぼ不可能なゲームになります。
以前は《母なる大地》があったため緑を単色で補うことができ、加えてデッキ自体の柔軟性が高かったのですが、ND落ちに伴いリソースを半永久的に得続けることの強みが少し失われてしまいました。
⑨【シータ刃鬼】
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《超次元リュウセイ・ホール》《ダンシング・フィーバー》を失ってもなお環境に残り続けるビッグマナです。《不敗のダイハード・リュウセイ》の盾焼却や破壊による敗北回避効果が環境と噛み合っており、現在は対ハンデス性能が高い《再誕の聖地》を軸にマナブーストを行います。
前環境では【ラッカUKパンク】に対する優位や《スーパー炎獄スクラッパー》が環境のほぼすべてのビートダウンに刺さっていたことなどもあり、少ないデッキスロットで多くのデッキに対抗することを可能にしていましたが、再録カードによりビートデッキが多様化したこともあって、デッキの開拓が難しくなった印象です。白を足して受けを工夫したような構築も散見されます。
⑩【祝門】
(青白型)
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(ドロマー型)
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受けデッキとして【天門】と双璧を為し、【青赤UKパンク】とともに《アクア・スーパーエメラル》の帰還を喜んだデッキです。主要なサイキック・クリーチャーのND落ちに伴い《陰謀と計略の手》の価値が下がった一方、【モルト王】【天門】などの2枚以上の手札から始動する動きを持つデッキが増えたため、2コストのハンデスの相対的な価値はやや上昇したと言えます。今までは《アクア・スーパーエメラル》の前に盾を割り切ればそれ以上仕込むことができなくなるのがセオリーでしたが、ドロマー型は《音感の精霊龍 エメラルーダ》の採用でその弱点を克服しています。
基本的な動きは変わっていないので、ハンデスができる【天門】のような立ち位置です。弱点は【天門】同様、ハンデスをメインプランとするデッキです。また、【天門】のエンジェル・コマンドは《偽りの星夜 スター・イン・ザ・ラブ》の除去効果の対象にならないため気を付けましょう。
⑪【赤単ヒューマノイド】
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前環境と中身はほぼ変わっていません。ビートダウンデッキながら小型除去に優れており、立ち位置としてはビートダウンに強いメタビートダウンでした。
しかし【クローシス墓地ソース】には打点形成力で劣り、ビートデッキとして見劣りする部分がある感覚が否めないので、【白単サザン】等の得意デッキが増えたタイミングを見計らいたいところです。
⑫【シュゲモルト】
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《予言者ヨーデル・ワイス》を失ったため白を入れた型はほぼ完全にアイデンティティを失いました。今残っているのは環境に刺さりのいい《嘘と盗みのエンターテイナー》を採用した、初期に回帰したようなデアリ型と《飛散する斧 プロメテウス》を採用してマナカーブを維持した青型です。《龍覇 イメン・ブーゴ》はマナを染色しつつ、《邪帝斧 ボアロアックス》でマナのコスト5以下のカードを登場時と攻撃時に踏み倒せるため、5枚目以降の《神聖麒 シューゲイザー》と言ってほぼ差し支えないクリーチャーであり、フィニッシャーが増えたことはシンプルに喜ばしいことと言えるでしょう。
アイデンティティを失った白型ですが、《連珠の精霊アガピトス》を加えて新たな道を模索するプレイヤー達も存在するようです。
⑬【緑単サソリス】
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《龍覇 サソリス》を出し《邪帝斧 ボアロアックス》を装備して進化クリーチャーをマナから出しつつ《龍覇 サソリス》に乗せると、攻撃時に更にクリーチャーをマナから踏み倒せるため進化クリーチャーを更に踏み倒せば1枚から4打点を作ることができます。最速4キルの速度はかなり魅力的で、紙にも似たようなデッキが存在しました。ただ、盤面制限の影響で気持ちのいい動きになりきらないこともあり、少しもどかしさがあるのと、ビートデッキにはそれぞれに主張点がありそれらを上回ることが難しいのが今のところ厳しいといえます。
3 おわりに
その他にも
【イメンブーゴ】
【白赤速攻】
【白単サザン】
【ジャックポット・エントリー】
【ガントラモルト】
【アガサ天門】
などが存在するようです。
初期環境は相性差がはっきり分かれる環境になりました。ビートダウン系のデッキに強い【天門】【祝門】、それに強い【白抜き4Cビッグマナ】【黒単ワルボロフ】、それに強いビートダウン系のデッキの三すくみです。【モルト王】はこの三すくみには属していませんが、盾を厚くしたりブースト速度を上げたりハンデスを加えてコントロールしたり、採用カードでいずれかの属性に寄せることができます。日時で流行りが変わってくると思われるため、これまで以上に情報を集められる人が勝てる環境と言えるかもしれません。
ただ、デッキの種類がこれまでと比較にならないほど多い雑多環境でもあります。有象無象を叩き潰す最強のカードパワーを持つ《超次元リュウセイ・ホール》がND落ちしたことは少なくない影響を与えているのでしょう。これからプレイヤー達のデッキがどのように洗練されていくのかが非常に楽しみです。
1月には《超戦龍覇 モルトNEXT》《真・龍覇 ヘブンズロージア》《極・龍覇 ヘルボロフ》などの本命ドラグナー達も控えています。DS編のクライマックスはどのようなデッキが生まれるのでしょうか。
ご意見、ご質問などありましたらコメント欄にお願いします。
冒頭の文、ゼンアクの再録のレジェプレ2022とゴッドゲート収録の年は1年空いてるからそこは関係ないと思います