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こんばんは、菜花黄名子です。
前回の記事が思ったよりも反響が良かったので、好評につき早くも第2回となります。
まさかデュエマ工房さんにRTしていただけるとは…
では早速、第2回BATTLE ARENAについて振り返っていきましょう。
前回の記事はこちら
目次
1.BATTLE ARENA 2nd基本情報
予選トーナメント開催日:2020年11月15日(日)
決勝トーナメント開催日:2020年11月21日(土)
決勝ラウンド開催場所:オフライン
定員:2,048名
参加資格:2020年10月開催「エターナル・フェニックスカップ」にて最高到達ランクが「プラチナ3」以上参加優先権:2020年10月開催「エターナル・フェニックスカップ」の最終ランキング1位~500位の方賞品
<予選トーナメント>
優勝:BATTLE ARENA 2nd決勝トーナメントへの出場権、10,000DMポイント
準優勝:BATTLE ARENA 2nd決勝トーナメントへの補欠出場権、5,000DMポイント
(※決勝ラウンドのリザーバーは、運営チームが定める方法で予選ラウンドの各ブロック2位の出場者の中からランダムで選出)
<決勝トーナメント>
優勝:賞金50万円、BATTLE ARENA 2nd【優勝】特別称号、BATTLE ARENA 2nd特別プレイマット
準優勝:賞金20万円、BATTLE ARENA 2nd【準優勝】特別称号、BATTLE ARENA 2nd特別プレイマット
TOP4:賞金10万円、BATTLE ARENA 2nd【TOP4】特別称号、BATTLE ARENA 2nd特別プレイマット
TOP8:賞金2.5万円、BATTLE ARENA 2nd【TOP8】特別称号、BATTLE ARENA 2nd特別プレイマット
今大会から、予選方式が8ブロックでダブルエリミネーション方式(全7回戦)を行った後に、シングルエリミネーション方式(全4回戦)を行う現在の方式に近いものになりました。
また、定員が2倍になったのと同時に参加優先権を得られる順位が前回よりも緩くなったのですが、最終的に定員割れが起きたので特に意味はありませんでした。
因みに現行の7thも優先権が850位まで引き下げられましたが普通に定員割れしてました。
…まあ、プレイヤー側からすれば抽選落ちを心配する必要が無いのは喜ばしい事ではあるのですが…。
2.事前メタゲーム予想
当時の環境は、かつて紙でプレミアム殿堂入りしていた程の強さを持つ《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》を中心に回っていました。
そんなサファイアを使った代表的なデッキとして、まず【除去サファイア】が挙げられます。
《無双竜機ボルバルザーク》のDP殿堂入り後、再び環境に浮上した【ボルメテウスコントロール】のフィニッシャーを《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》に置き換えたものとなっています。
従来の《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》は出したターンに召喚酔いというラグがあったのですが、《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》はコストが重い分SAで召喚酔い無し+3枚焼却出来るので一気に相手に圧をかけることが出来ました。
そんな【除去サファイア】に強いデッキと挙げるとすれば、やはりコントロール殺しの代名詞【ダイヤモンド・ブリザード】でしょう。
6弾でこのデッキは新たに《進化の化身》と《神楽妖精パルティア》を獲得しました。
前者は念願の《ダイヤモンド・ブリザード》のサーチカード兼高パワーのアタッカーであり、後者は2コストのスノーフェアリーかつcipで墓地のカードをデッキに戻すことができ、長期戦に強くなりました。
この2枚のおかげで従来の【ダイヤモンド・ブリザード】と比べて安定感が飛躍的に向上し、最強のアグロデッキとして君臨していました。
…で、その【ダイヤモンド・ブリザード】に強いデッキと言えば、やはり【ヘブンズ・ゲート】でしょう。
当時の天門はボルバルザークのDP殿堂に加え、フィニッシャーとして《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》や《聖霊王アルファディオス》が実装された事によって自然文明を必要としなくなったため、空いた枠に除去を突っ込んだ緑抜きの【4色ヘブンズ・ゲート】が主流でした。
そのため、従来の天門と比べて【除去コントロール】色が強くなっていたのが特徴です。前述した【除去サファイア】の手薄な守りを《ヘブンズ・ゲート》で補強していた感じですね。
…ここまで見た方はきっとこう思ったでしょう。「これ、前回の3すくみとほぼ変わらなくね?」
ですが今回はこの3デッキに加え、6弾からの新勢力が加わり更にややこしい事になっています。
例えば、【クリスタル・ツヴァイランサー】なんかは6弾を象徴するデッキの一つと言ってもいいでしょう。
最速3~4ターン目にブロックされないT・ブレイカーが盤面に並ぶ事象はそれまでのデュエプレの常識を大きく覆しました。
《アクア・スクリュー》の疑似キャントリップも相まって複数体並ぶ様は、誰が呼んだか別名「青い《“轟轟轟”ブランド》」。
ブレイクされたシールドがリソースになるというこのゲームのルール上、殆どのアグロ、ビートダウンが有利対面というとんでもないデッキでしたが、逐一除去やハンデスで《クリスタル・ツヴァイランサー》の着地を遅らせて《ロスト・ソウル》の詠唱を終着点とする【除去サファイア】はちょっと苦手…といった感じでした。
しかし当時は強力なドローソースの《ストリーミング・ビジョン》が4枚使えた事もあってコントロール対面は決して絶望的ではなく、プレイングが強さに直結するため上級者からの人気が高いデッキでした。
また、《聖騎士ヴォイジャー》と《聖霊王アルファディオス》を獲得し一線級のデッキとなった【アウゼスコントロール】や、最速4ターン目サファイアというアンフェアなギミックを擁する新たなコンボデッキ【カチュアシュート】も優勝候補とされていました。
これらランクマッチにおけるTier1デッキ同士の相性表は複雑に絡み合っており、事前段階ではどのデッキが優勝してもおかしくないと言われていました。
更に、Tier2以下に目を向ければ【ドルバロム】【五王】【速攻】とキリがありません。
多くのデッキに可能性があった今大会、果たして当日はどのような結果になったのでしょうか?
3.当日の結果
top8(以下敬称略)
優勝
たくまん:火光速攻準優勝
jyowei:水闇火除去サファイアbest4(順不同)
ちゃんかこ:光水闇火ヘブンズ・ゲート
愚息:光闇火アウゼスコントロールbest8(順不同)
うなぎ:水火自然カチュアシュート
アグリッパ:闇火自然カチュアシュート
ゆうれい:水単クリスタル・ツヴァイランサー
りゅー:光自然ダイヤモンド・ブリザード
今大会も使用率1位はぶっちぎりで【ヘブンズ・ゲート】。2位の【アウゼスコントロール】にも天門が採用されたリストが一定数あるため、この2つを合計すると実に34.3%となる。改めて《ヘブンズ・ゲート》のカードパワーの高さが窺えますね。
使用率3位~5位のデッキはいずれも使用率が10%を超えており、上位アーキタイプがかなり拮抗した大会だったと言えるでしょう。
ヘブンズ・ゲート
明確に不利な対面が【ドルバロム】くらいしか無く、プレイング次第でどんなデッキとも戦えるため抜群の安定感を持つデッキでした。
地味に強かったのが《アクア・リバイバー》。モヤシ効果(破壊されるかわりに手札に戻ってくる)をもつブロッカーのため、毎ターン《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》の猛攻をチャンプブロックで凌ぐ事が出来たので当時の環境では評価の高かったカードでした。
今大会の最高成績はベスト4ですが、優勝も十分あり得たデッキだと思います。
ちなみにこのちゃんかこ選手、後述する火文明入りの【アウゼスコントロール】の有料noteを執筆し、全国的に広めた人物の一人でもあります。
アウゼスコントロール
使用率は13.4%と分布にして第2位、《悪魔聖霊アウゼス》によるタップキルを主軸としたクリーチャーコントロールデッキがベスト4に入賞です。
《光輪の精霊 ピカリエ》に加え、《聖騎士ヴォイジャー》のキャントリップによって水文明抜きでも手札補充が出来るようになったのが大きいですね。加えて、ヴォイジャーのコスト軽減にアウゼスや《血風聖霊ザーディア》自身のシンパシー効果も相まって1ターン中に複数展開する状況もざらにありました。
実は愚息選手、今大会後に発足したBEANSの最初期メンバーでもありました。(現在は脱退済み)
彼曰く、準決勝の試合をきっかけに速攻がトラウマとなり、《凶戦士ブレイズ・クロー》や《解体屋ピーカプ》等アグロに入るカードは全て砕いてしまったそうです…。
除去サファイア
前回大会で同じ系譜のデッキである【ハンデスボルバルザーク】がベスト8進出を逃した事を踏まえると、今回の準優勝という結果は大健闘と言っていいでしょう。
リストを見ると《ファントム・バイツ》でツヴァイランサーの小型リキッド・ピープルを焼いたり、《バキューム・ジェル》が天門のブロッカーや《幻想妖精カチュア》に刺さったりと当時の環境に合わせて調整されている事が伺えますね。
また、初動として《ロスト・チャージャー》が採用されており、墓地に落としたサファイアを《リバース・チャージャー》で拾うギミックが採用されていたのも特徴です。
【除去サファイア】における初動の《ロスト・チャージャー》は、次弾でまさかの《インフェルノ・ゲート》実装により、一気に主流となります。
準優勝者のリストには入っていないものの、《解体人形ジェニー》はツヴァイランサー等高コストの切り札を引っこ抜けるカードとして、一定数のプレイヤーが採用していた様です。
クリスタル・ツヴァイランサー
【除去サファイア】や【カチュアシュート】の台頭に押されたものの、持ち前の爆発力で見事ベスト8入りを果たしました。
タッチ《ホーリー・スパーク》型は同系対面に強いものの、当時コントロール中心の環境だったこともあってか入賞したリストはフルパワーの水単型でした。てかビジョン4投って今見ると狂ってますね。
しかし、準々決勝にて悲劇が訪れます。
事件が起こったのは1本取られて後がなくなった2ゲーム目。ゆうれい選手はデッキから20枚近くドローしたのにもかかわらず《クリスタル・ツヴァイランサー》を1枚も引き込むことが出来ませんでした。
このデッキはどこまでも《クリスタル・ツヴァイランサー》に依存したデッキだという事をプレイヤーたちに再認識させたワンシーンでした。
カチュアシュート
※残念ながらベスト8二人のデッキリストは見つかりませんでした。情報を知ってる方は提供してくれると助かります。
…筆者の記憶だと確か6弾環境中盤辺りに台頭してきたアーキタイプだった筈です。(11月初頭くらい?)
《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》の実装により、これまでファンデッキのお供だった《幻想妖精カチュア》の出力がぶっ壊れました。
2ターン目ブースト→3ターン目に《マイキーのペンチ》→4ターン目にカチュアのTT発動という上振れムーブに加え、種を並べてくる【クリスタル・ツヴァイランサー】に対してはまさかのペンチ《根絶のデクロワゾー》で盤面手札をまとめて焼き尽くす凶悪なギミックを有するデッキです。
全体で5%という使用率の低さに反してベスト8を二人排出という好成績を収めましたが、二人の構築はそれぞれ異なるものとなっています。
うなぎ選手の構築は火自然にタッチで《アクア・サーファー》を採用した型であり、《二角の超人》でゲーム後半でもリソース補充が出来るようになっていました。
一方でアグリッパ選手の構築はデアリガズ(闇火自然)カラーで従来のテンプレに近いものの、《ギガクローズ》といった変わり種も採用されてましたね。
実はこの頃は《ヘリオス・ティガ・ドラゴン》《白虎の剣皇ダーク・サラマンダス》の組み合わせの強さに辿り着いていたプレイヤーは少なく、これらを採用したいわゆる「龍虎」型カチュアが猛威を振るうのは7弾環境以降となります。
火光速攻
という訳で、優勝はなんと【火光速攻】でした。使用率にして僅か1%からの大金星です。
当時このデッキが優勝すると予想できた人はかなり少なかったのではないでしょうか?
通りが良かった要因として考えられるのは
・天敵だった《ゴースト・タッチ》《汽車男》がナーフによって採用率が大きく減った
・小型ブロッカーを採用している上位デッキが【クリスタル・ツヴァイランサー】【アウゼスコントロール】くらいしか無かった(アウゼスコントロールの初動も基本的に4ターン目からで、たまに《予言者キュベラ》が採用されていたくらい)
・《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》中心の環境のため、S・トリガーの平均枚数が減っていた
等が挙げられます。
準決勝では不利とされていた【アウゼスコントロール】に《デーモン・ハンド》を3回踏んでも勝利した試合もありました。
それでも、1度も負けられない大会という場でS・トリガー1枚が勝敗に直結しかねない【速攻】を握るのは、並々ならぬ覚悟がなければできなかったと思います。
自分を信じ、優勝まで走り抜いたたくまん選手に改めて敬意を表します。
4.まとめ
以上、BATTLE ARENA 2ndの振り返りでした。
今大会は新型コロナウイルスの流行が比較的落ち着いていた時期であり、現状では唯一決勝トーナメントがオフラインで開催された大会でした。
オンライン開催の方が色々と都合がいいのは承知ですが、選手同士が実際に向き合ってプレイするのも紙の大会みたいで趣があって良いと思うんですよね。eスポーツって感じするし。
新型コロナが一刻も早く収束してほしいのは勿論、そうなったらオフラインのイベントも多く開催されるといいなあ…と思う筆者でした。
次回はBATTLE ARENA LEGACY、3rd編。
実は自分が初めて参加したアリーナは3rdだったので、特に思い入れがあります。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!それではまた。
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