Table of Contents
こんばんは、菜花黄名子です。
私事ですが、自分が優勝したささぼーカップから早1年が経っていました。時の流れとは早いものです。
今大会は多くのプレイヤーがデュエプレにおける1つのターニングポイントと感じているであろう7弾環境終盤の大会となっています。それではいってみましょー。
前回の記事はこちら
目次
1.BATTLE ARENA 3rd基本情報
予選トーナメント開催日:2021年2月7日(日)
決勝トーナメント開催日:2021年2月13日(土)
決勝ラウンド開催場所:オンライン
定員:2,048名
参加資格:フォーマット「New Division」での2021年1月開催「ヴィーナスカップ」にて最高到達ランクが「プラチナ3」以上
参加優先権:フォーマット「New Division」での2021年1月開催「ヴィーナスカップ」の最終ランキング1位~500位の方賞品
<予選トーナメント>
優勝:BATTLE ARENA 3nd決勝トーナメントへの出場権、10,000DMポイント
準優勝:BATTLE ARENA 3nd決勝トーナメントへの補欠出場権、5,000DMポイント
(※決勝ラウンドのリザーバーは、運営チームが定める方法で予選ラウンドの各ブロック2位の出場者の中からランダムで選出)
<決勝トーナメント>
優勝:賞金50万円、BATTLE ARENA 3nd【優勝】特別称号、BATTLE ARENA 3nd特別プレイマット
BATTLE ARENA 4th 決勝ラウンドへの出場権(※予選ラウンド免除)
準優勝:賞金20万円、BATTLE ARENA 3nd【準優勝】特別称号、BATTLE ARENA 3nd特別プレイマット
BATTLE ARENA 4th 予選ラウンドへの優先出場権およびシード権
TOP4:賞金10万円、BATTLE ARENA 3nd【TOP4】特別称号、BATTLE ARENA 3nd特別プレイマット
BATTLE ARENA 4th 予選ラウンドへの優先出場権およびシード権
TOP8:賞金2.5万円、BATTLE ARENA 3nd【TOP8】特別称号、BATTLE ARENA 3nd特別プレイマット
BATTLE ARENA 4th 予選ラウンドへの優先出場権およびシード権
今大会はランクマッチのフォーマットが「New Division」「All Division」に分けられてから初めての大会であり、直近6弾のカードプールが使用可能な「New Division」での開催となりました。
この時点で使用不可能になるのは再録されなかった1弾のカードのみなのですが《ロスト・ソウル》《光輪の精霊ピカリエ》《クリスタル・パラディン》といった優秀なカードがスタン落ちしているため、少なからず環境に影響を与えていました。
また、今大会では初めて入賞者に次回大会のシード権が与えられるようになったのですが、優勝者はなんと予選ラウンド免除でベスト8から参戦出来るというものでした。
…しかし、「流石にそれはどうなんだ」との批判も多く、結果的に「予選免除シード」は今大会のみの要素となりました。
2.事前メタゲーム予想
今大会は、【グレートメカオー】こそが台風の目とされていました。
いわゆる種族デザイナーズデッキの一つであり、現在でもAll Divisionで活躍しているデッキですが、その完成度は初出の7弾時点でずば抜けていました。
《機動要塞ピラミリオン》で横展開してから《装甲支援ガトリンガー》でドローして二種の「超神星」に繋ぐ動きがインチキ染みたほど強く、ブロッカーを並べても《キャプテン・ミリオンパーツ》によって無力化されるためにスキがありません。
研究が進んだ結果、大体の環境デッキに対して微不利とされていましたが、殆どのデッキに「マザーorマーキュリー&ミリパ」の勝ち筋を通せる為に不思議と環境での立ち位置は良かったんですよね。
環境末期で構築やプレイングが洗練されてきたという事もあって、上級者を筆頭に人気の高いデッキでした。
そんな最強デザイナーズデッキに対抗するのもまた、デザイナーズデッキでした。
まずは【ダイヤモンド・ブリザード】。
7弾では新規スノーフェアリーが実装されなかったものの、代わりに《ソーラー・コミューン》を獲得しました。
小型スノーフェアリーが横並びしやすいこのデッキとの相性が良く、《ホーリー・スパーク》よりも手打ちしやすいため序盤からタップキルを仕掛ける事が出来るようになりました。
これにより従来不利だった【クリスタル・ツヴァイランサー】に対しての相性が若干改善し、【グレートメカオー】に対しては当時まだ《霊王機エル・カイオウ》が登場してなかった事もあり、ダメージレースで押し勝ちやすく元来有利~微有利だった覚えがあります。
続いて【クリスタル・ツヴァイランサー】。
《クリスタル・パラディン》《ストリーミング・ビジョン》のスタン落ちは痛かったものの、それ以上に《超神星マーキュリー・ギガブリザード》の獲得が大きかったです。
従来のツヴァイの弱点であった「《クリスタル・ツヴァイランサー》を引けてない時が弱い」「S・トリガーケアが出来ない」という点を一気に克服し、アリーナ直前に開催された「ささぼーNewYearCup」では準優勝という好成績を収めました。(余談ですが、同大会ではBEANSメンバーの副ぶちょーさんも【クリスタル・ツヴァイランサー】を使用してベスト4に入賞しています。)
そしてもう一つ、【アポロヌス・ドラゲリオン】。
一度場に出たら最後、相手のシールドを全て叩き割りそのままダイレクトアタックへ直行する《超神星アポロヌス・ドラゲリオン》を切り札としたデッキですが、紆余曲折を経て当時の主流は光文明のS・トリガーを複数採用した火、光カラーのいわゆるカウンター型がメジャーとなっていました。
当時の環境デッキとの相性は【ヘブンズ・ゲート】には不利が付くものの、上記で紹介した3大デザイナーズデッキに対してはいずれも五分以上の相性であり、密かに優勝候補の一角とされていました。
これらのデザイナーズデッキはいずれも平均キルターンが5~6ターン程で決着をつけてくるため、正直言ってこれらに対抗できない非デザイナーズデッキは軒並み淘汰されていたのですが、そうした中で活躍するプレイヤーズデッキも存在しました。
まずは毎度おなじみ【ヘブンズ・ゲート】。
7弾環境序盤は前弾の【4色ヘブンズ・ゲート】に【ゲートサファイア】のギミックを採用した型が主流だったのですが、環境が進むと《無双竜機ボルバルザーク》《剛撃聖霊エリクシア》を自然枠としてタッチした【5色ヘブンズ・ゲート】に回帰していました。ここにきてエリクシアの【グレートメカオー】の超神星や《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》を止められる高パワーが光ります。
また【カチュアシュート】も、この環境を語る上では欠かせないデッキです。
前回の記事でもちょっとだけ触れましたが、《ヘリオス・ティガ・ドラゴン》《白虎の剣皇ダーク・サラマンダス》のパッケージを採用した「龍虎」型が主流でした。
特にフルパワーの《ヘリオス・ティガ・ドラゴン》の全体除去がクリーチャーを横並べするデザイナーズデッキに対してぶっ刺さり、決まればほぼ試合終了レベルのアドバンテージを叩き出しました。
これに加えて《フェアリー・ギフト》の実装により、最速3ターン目カチュアや5マナヘリオス→ダークサラマンダスといった理不尽ムーブが可能になり、アンフェアっぷりに磨きがかかっていました。
一応、参考までに2021年1/24に開催された「ささぼーNewYearCup」のデッキ分布を載せておきます。
この時点では【ヘブンズ・ゲート】が圧倒的シェア1位となったものの、メカオーツヴァイ対面での厳しさが浮き彫りになってきたためかこの大会ではベスト8入賞を逃しており、「天門不敗神話」に陰りが見え始めます。
そして、アリーナ直前の大会という事もあってこの結果が少なからず影響を与えることが予想されていました。
この混沌としたデザイナーズ環境で勝ち残ったデッキは果たして…?
3.当日の結果
top8(以下敬称略)
優勝
そーすやきそば:光火アポロヌス・ドラゲリオン準優勝
孫悟空@時短突破団:光水グレートメカオーbest4(順不同)
てらびら:光水闇火自然ヘブンズ・ゲート
マッスルFM:光水自然ドリームメイトbest8(順不同)
ながれ:水闇火自然カチュアシュート
ゆーや:光水闇火自然ヘブンズ・ゲート
電光:光自然ダイヤモンド・ブリザード
サレライ:光火アポロヌス・ドラゲリオン
【ヘブンズ・ゲート】は遂に首位から陥落し、まさかの使用率3位という結果に。
使用率トップとなった【グレートメカオー】に続いて二番手の【クリスタル・ツヴァイランサー】がほぼ同率の使用率を叩き出したものの、残念ながらベスト8進出は叶いませんでした。
後は事前メタゲーム予想で紹介したツヴァイ以外の当時の環境デッキが順当に入賞する結果となりましたが、一つだけ意外なデッキが勝ち上がってきました。
グレートメカオー
使用率は1位だったものの、決勝トーナメントに進出したのはわずか一人だけでした。
理由として考えられるのは、BO1の予選で相手が上振れた時の対応が難しかったり、当時から難解な同系対面での潰し合いが多発した事が考えられます。
しかし、これらを乗り越えて勝ち上がってきた孫悟空選手は最終1位を経験している程の実力者で、そのプレイングは流石の一言でした。
準々決勝、準決勝を見事なプレイで勝ち上がっていき、惜しくも優勝こそ出来なかったものの視聴者や実況はじめ出演者たちを大いに沸かせました。
まあアポロ相手に4スタ&ノートリで勝つ方が難しいですよね…
当時はS・トリガーとして《超神星ヴィーナス・ラ・セイントマザー》と相性のいい《アポカリプス・デイ》が多く採用されていました。
このカードも横並べするデッキに刺さりやすく、【クリスタル・ツヴァイランサー】が入賞を逃した事にも少なからず影響していると思われます。
ヘブンズ・ゲート
【グレートメカオー】の登場により以前のような握り得デッキでは無くなったものの、流石の対応力で3大会連続でトップ8入賞を果たしました。
コントロールデッキらしくカスタマイズ性が高く入賞した二人のリストを見ても採用カードにそこそこ差異があり、てらびら選手のリストは当時のテンプレに近いのに比べて、ゆーや選手のリストは《ファントム・バイツ》や《解体人形ジェニー》でよりデザイナーズデッキを厚く見ている構築となっています。
また、二人の構築の共通点としてどちらも《悪魔聖霊バルホルス》の採用枚数が以前の天門に比べて減っている事がわかります。
実はこの頃のバルホルスは「《キャプテン・ミリオンパーツ》が出た瞬間置物になる」「手出しするには重い上に場に出た時に仕事をしない」といった点から評価を落としており、BA開催直前の環境では既に採用枚数を減らした構築が主流だったようです。
同期の《血風聖霊ザーディア》とは当時の評価が完全に逆転していたのが面白いですね。
アポロヌス・ドラゲリオン
今大会の優勝デッキです。何の因果かカラーリングは前大会優勝デッキと同じ光火でした。
特に優勝者のそーすやきそば選手はデュエプレYoutuberである上、リザーバーからの優勝という事で注目を集めました。大会以降登録者数が倍増したそうです。
決勝トーナメントでは相性不利な【ヘブンズ・ゲート】が二人共逆側に分けられたのも大きかったと思います。
光のS・トリガーでターンを返してもらい《超神星アポロヌス・ドラゲリオン》でワンショット…という戦法が上手く噛み合っており、特に《予言者リク》は当時同系や【グレートメカオー】に機能する数少ない有効トリガーとして独自の立場を築いていました。
また、《ガルベリアス・ドラゴン》は今大会のMVPと言っても過言ではないでしょう。
相手のシールドを《超神星アポロヌス・ドラゲリオン》で全て割った後、条件付きではあるもののブロックされないSAとなるドラゴンの《ガルベリアス・ドラゴン》は相性が非常によく、決勝戦では水文明を扱う【グレートメカオー】に対して強烈に刺さり、優勝に大きく貢献しました。
優勝したリストには《超神星アポロヌス・ドラゲリオン》が2枚しか採用されていなかったり、テンプレによく採用されていた《コメット・チャージャー》が入ってなかったりしたのですが、これに対しそーすやきそば選手はインタビューで「アポロを2枚しか持っていなかった」「チャージャーはマナの算数が難しくなるから入れなかった」(意訳)…といった迷言を残し、現在でも伝説の優勝者インタビューとして語り継がれています。
BAは所持していないカードも4枚入れられる筈ですが…やはり自分の手に馴染んだ構築を使うのが一番いいという事でしょう。
同じく光火アポロヌス・ドラゲリオンでベスト8に入賞したサレライ選手の構築は、当時のテンプレに近い物となっています。
アポロヌスがまだ4枚使えた時代でしたが、確かこの頃は3枚入りが主流だったような気がします。
ドリームメイト
今大会のサプライズ枠…と言ってもいいのでしょうか?
このデッキも第7弾で登場した《独裁者ケンジ・パンダネルラ将軍》を軸としたデザイナーズビートダウンだったのですが、上述した環境デッキに押されて当時はせいぜいTier2が関の山と言われていました。
しかし、人気配信者の「ささぼー」氏が愛用しており、彼は【ドリームメイト】を使い先程話した「ささぼーNewYearCup」でベスト8となっており、その影響か根強い愛好家が一定数存在したアーキタイプでした。
そんな中勝ち上がってきたのは光水自然(トリーヴァ)カラーであり、当時の【ドリームメイト】は火文明入りが主流だった事もあって二重に予想外だった方も多かったでしょう。
このデッキの基盤となったのは恐らく大会前の1月に開催された「ヴィーナスカップ」NDにてレート1700超えを達成した同カラーの【ドリームメイト】となっています。
入賞リストにはS・トリガーがなんと23枚も入っており、準々決勝では【ダイヤモンド・ブリザード】を相手に受けの厚さで圧倒していました。
採用されているS・トリガーも《ホーリー・スパーク》《アクア・サーファー》等基本的なものに加え《超神星アポロヌス・ドラゲリオン》を止められる《アクア・リバイバー》やマザーミリパにも有効な《怒号するグリンド・ホーン》といった当時の環境に合わせたものとなっていますね。
余談ですが、今大会の直前に《霊騎幻獣ウルコス》《幻獣竜機ボルパンサー》といった【ドリームメイト】の強化パーツとなる新カードが連日公開されており、後に巻き起こるドリームメイト旋風を予感させました。
4.まとめ
以上、BATTLE ARENA 3ndの振り返りでした。
振り返ってみると、ドリームメイトの躍進や決勝戦が7弾の二大SR超神星の激突という松浦さんにとっても激熱のマッチアップとなったりと、今大会も見所たっぷりでしたね。
アポロvsメカオーは当時から因縁の対面ですが、アポロ側が有利という認識は今大会以降に浸透していったような覚えがあります。
ここから下は余談…というか完全に私事となります。
前回の最後で話した通り、3rdが自分にとって初めてのバトルアリーナでした。
当時の自分はまだランクマで結果を残せてなく、大会に参加するのもほとんど興味がなかったのですが「せっかく優先権取れたし…」と自分の力を試すため意を決して挑戦してみることに。(因みに今の名前にしたのもこの時です)
デッキは何を握ったのかというと、天門やブリザードに有利でメカオーに対しても五分の相性があると踏んで【クリスタル・ツヴァイランサー】を選びました。(リストは残ってませんがタッチでスパークを入れてた事は覚えています)大会当日まで練習がてらランクマッチでひたすら二本の槍を回してたのが今や懐かしいです。
結果は何とダブルエリミを6₋0で突破出来たのですが、ブロック決勝1回戦にてコロビナーで種を延々と処理され続けてアッサリ敗退。
とても悔しい思いをしましたが、同時に予選を無敗で突破出来た事実に「自分はまだ強くなれる」と確信し、自信とモチベーションが沸き上がりました。
そして、3月のロマネスクカップで遂に念願の初最終を達成できました。あの時は本当に嬉しかった…。
後にBEANSの最終魔人(今勝手に付けた)と呼ばれる菜花黄名子のルーツはこの大会にあると言っても過言でした。
…話が脱線しすぎましたが、ここまで見て下さりありがとうございました。
次回、BATTLE ARENA LEGACY 4th編。
マジで面白い大会だったので気合入れて書きます。乞うご期待…。
デュエマの4rdは伝統芸